こんにちは、Ryoです。
今回は、ラテラルシンキングと呼ばれる思考法についての本を紹介します。
以下のような人におすすめです。
・論理的思考が得意だけど、別の観点や視点が欲しい
・水平思考は興味はあるけど、どんなものかわからない
・水平思考の力を鍛えたい
著者は 木村尚義 さん
まずは著者紹介です。
木村尚義(きむら なおよし)さんは現在、株式会社創客営業研究所の代表取締役を務めておられます。
かつてはOA機器販売会社の不採算店舗の再建に取り組み、逆転の発想から売上を5倍に引きあげたこともあるそうです。
その後、IT教育会社で研修講師のスキルを身につけ、2008年より現職についています。
もしかしたらこちらの本で知っている方が多いかもしれません。
どんな本?
本書は、ラテラルシンキングのマスターになることを目的としています。
ラテラルシンキングは、これまで歴史の変革に必要になってきた考え方です。
一休さんのとんちのようなものをイメージすると良いでしょう。
ではまず、「ラテラルシンキング」って何?というところから解説していきます。
ラテラルシンキングって何?
まずは言葉の意味をおさえましょう。
ラテラルシンキング=Lateral Thinking です。
lateral – 横の(方への)、横からの、側面の
Weblio
Thinkingは考え方、考え、考えること、のような意味がありますので、
ラテラルシンキング、とは、横方向に考えることという意味です。
水平思考という呼ばれかたも多いですね。
何のためにラテラルシンキングが必要なのか
さて、そのラテラルシンキング(水平思考)は何のために習得する必要があるのか。
ビジネスの現場では、ロジカルシンキング(論理思考)が求められるケースが多いと思います。
ただ、問題解決や新しい発想にはラテラルシンキングも必要となります。
どちらがより重要か、というよりはうまくロジカルとラテラルの両方の考え方を持っていることが重要です。
変化の多い現代では、新たな問題がどんどん発生します。
そこで論理思考では超えられない別の視点がラテラルシンキングによって得られるのです。
本書では、エジソン の例で解説しています。
幾度となく実験を繰り返したエジソン は、ラテラルシンキングによってあらゆる電球の素材を検討しました。
横の考え方(水平思考)で素材として京都の竹が最適なことを発見し、
縦の考え方(論理思考)で見事電球の成功に漕ぎ着けました。
でも結局優秀な人のひらめきなんでしょ?
私もそう思っていました…。
研究者とか、それこそエジソン とか、頭の良い人ができる考え方だ、と。
そんなことは一切ありません!
それでは、どのようにして我々もラテラルシンキングを身に付けることができるのでしょうか。
ラテラルシンキングのための3つの力
本書では、ラテラルシンキングを鍛えるために3つの力が必要だと述べています。
それは、
- 前提を疑う
- 抽象化
- セレンディピティ
です。順に紹介します。
前提を疑う
我々大人は固定観念や思い込み、ルールに縛られています。
それらを全てとっぱらって、まっさらな視点で物事を観察してみましょう。
子供の視点と同じです。
あるレストランの例を見てみましょう。
レストランは、より豊富なメニューをたくさん用意しお客様のニーズに応えるか、が重要視されます。
ただ、この兄弟は違いました。
メニューの数を制限し、安くて早くて美味い、に特化し
素早くお腹を満たすことを最優先しました。
これが後のMcDonaldです。
それまでの業界・業態の常識だった前提をなくし、新たな視点で成功を収めた例です。
抽象化
物事をありのままに捉えるために、カテゴライズをしない考え方が必要です。
本質は何か、を捉えるために、まずは物事の共通点や特徴を考えていましょう。
本書では、傘と帽子の例で説明をしています。
傘と帽子は共に、何かをさえぎるもの、何かから守るもの、以外に、
見せるもの、魅せるもの、という側面も持っています。
ただここで「ファッションアイテム」であるというカテゴライズをしないことが大切です。
セレンディピティ
よくわからないカタカナ語が出てきました。辞書を引きましょう。
Serendipity – 思わぬものを偶然に発見する才能
Weblio
ものすごく得たい魅力的な能力です…!
目の前の出来事に「何か意味があるに違いない」と感じることです。
偶然を偶然で終わらせないために、本書でも紹介している 禁スマ散歩 がおすすめです。
普段歩いていてもすぐにGoogle検索をしてしまったり、ついついSNSやLINEをチェックしてしまいますが、
一切スマホを利用せずに散歩をすることで、目に入ったものや感じたことに考えを巡らせます。
いつもの違う匂い、歩道に沿って茂った植物が整然とされている理由、人の動線、などなど
五感で得られるいろんな疑問や考える種があるので、デジタル疲れの現代人にぴったりだと思います。
観点がたくさんありすぎて忘れてしまうよ
本書を読み進めていくと、いろんな観点が出てきます。
実際に意識することは大事かもしれないけど、こんなに気にしてられないよ、と私も思っていました。
ただ、著者はきっとそこまで見透かしているのでしょう。
こんなTipsが紹介されていました。
以下の4つの視点、考え方で物事を捉えてみましょう。
♤スペード(逆転):裏表、上下、前後、左右 を逆にしてみる
♡ハート(変化):用途、意味、使い方、手順、基準、環境、土俵 を変えてみる
♧クラブ(大小):拡大・縮小して眺める、一部を取り出す、部分的に付け加える、バラバラに分解する、過去・未来に注目
♢ダイヤ(組み合わせ):別のものとくっつける、真似する
まずは、アイデアを出すテーマを決めます。
あとはこの4つの観点にしたがって考えてみるのです。ほら簡単。
トランプを持っていれば複数人でもできるアクティビティなので、
アイデア出しの時には使えるかもしれません。
クイズのような問題がたくさん
問題解決の題材がない、ネタがない、などという方は、まずは本書の問題にチャレンジしてみるのもいいと思います。
ここにはとうてい書ききれませんが、本書の後半およそ半分に具体的な問題(クイズ)があり、
一つ一つ考えていくとかなり鍛えられます。
なぞなぞ的なものから、ビジネスの具体的な題材まで、時間を忘れて楽しめます。
問題を載せると面白くないので、あえて紹介はしません。
是非本書を手に取り挑戦してみてください。
終わりに
○○思考のような本は割と今では本屋に出回っています。
学生時代に初めて水平思考という言葉を知ったのは「ウミガメのスープ」でした。
この本は水平思考業界(そんなのないけど)でもかなり有名な部類に入る本だと思います。
ただ、ラテラルシンキングについての解説や意味・目的については詳細に触れておらず、
クイズ本、なぞなぞ本として楽しめました。
今回紹介して本は、何のために、どのようにしてラテラルシンキングを身に付けるか、
が順序立てて書かれているため、とっかかりとしては最適だと思います。
入門として、かつ実践的に学ぶ本として、是非読んでいただきたいと思います。
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