こんにちは、Ryoです。
最近、異文化についての学習や体験に興味を持ち、入門レベルで体系的に学んでみようと本書を手に取りました。
普段日本に住んでいるので、異文化を感じることといえば旅行に行ったときと海外出身の方と会話したときぐらい。
日本を知るために異文化理解を、異文化を知るためには日本文化をさらに知りたい、そんな思いでいます。
著者は原沢伊都夫(はらさわいつお)さん
静岡大学国際連携推進機構の教授をしていらっしゃいます。専門は、日本語学、日本語教育、異文化コミュニケーションです。
他にも、『日本人のための日本語文法入門』や『考えて、解いて、学ぶ日本語教育の文法』などの著作があります。
日本語教育に携わる方の中にはご存知の方も多いのではないかと思います。
異文化理解って?
日本にいるんだから自分には関係ないな、と思いがちですが、国内にいても異文化を知る機会はあります。
例えばテレビ番組のケンミンショーがわかりやすいです。
様々な地域の独特な文化を紹介したり、あえて対立構造にしたりして、盛り上がっていますね。
地方から都会に来たり、逆に地方に移住したりすると、そこである種のカルチャーショックは発生します。
私は北海道から東京に出てきた時、人の多さに驚き、近隣住民との希薄な関係に困惑しました。これも立派な異文化体験です。
そこで一歩踏み込んで、異文化を理解するということ、がどういう意味をもつのか。
文化って何?
どうやって異文化を理解できるようになるの?
異文化理解力を身につけるためにはどうすればいい?
そんな基本的な疑問に答えられる内容が本書にはあると思います。
異文化受容(acculturation)
本書では、文化とは何かに始まり、異文化の理解、差別、異文化トレーニングなど、幅広く扱われていますが、
その中で一番発見があったのが「異文化受容」の章でした。
異文化受容(acculturation、アカルチュレーション)とは、異文化をもつ人々が、継続的、直接的に接触した結果、一方あるいは双方の本来の文化の方に変化が起こること(「異文化コミュニケーション・ハンドブック」)、を意味します。
異文化に触れるということはわかったけど、文化に接触した後の態度や変化については考えたことがありませんでした。
異文化の受容には、5つのステージがあります。
1.自文化中心の段階
2.違い(見えない文化)に気づく段階
3.文化を相対的に見る段階
4.新しい文化を取り入れる段階
5.新しいアイデンティティが確立される段階
個人的にですが、上記のステージの中でも3番目の「文化を相対的に見る」というのがとても難しいことではないかと感じます。
異なる文化を認識することはできるかもしれません。
でも、どうしても自分の文化が普通で常識で、あわよくば自文化が一番上で偉いなどと思っている人もいるかもしれません。
文化に優劣はなく、互いの文化の価値観を理解すること。
相手の文化の背景を理解し受け入れること。
頭では分かっていても、実際に異文化に接触した時に、受け入れ理解し学ぶ姿勢をもつことができるか。
普段からトレーニングをしていないとできることではないかと思います。
異文化体験しよう
全く異文化体験がないことはないけど、どんな機会があるのかすらわからない。
私もそうでした。
でもちょっと探すだけで結構出てくるもんです。
現在はCovid19の影響でなかなか人と集まるイベントに参加しづらい状況ですが、
イベントが再開した時に参加してみたいなと思っています。
すぐに思いつくものだと、国際交流団体主催のイベントや、
ホテルやカフェが主宰する国際交流パーティなんかがあります。
これらは特にテーマがなくて適当に飲みながら話すだけのものもありますし、
みんなでゲームをやったり、スポーツイベントがあったりなど様々です。
もう少し異文化交流としての意味合いが強いものとしては、Barnga(バーンガ)という異文化トレーニングがあります。
トランプを使った文化の軋轢を経験できるシミュレーションゲームです。
私もいつか参加してみたいと思いつつ、なかなか主宰している団体を見つけられないでいますが。
まとめ
普段、日本で暮らしていて、周りにも日本人がいて、なんとなく暮らしていると異文化を体験したり意識したりする機会ってあまりないのではないかと思います。
ただ、異文化理解というと大仰に聞こえますが、大前提として相手を敬ったコミュニケーションができるか、にかかっていると思います。
同じ文化圏であれ異文化であれ、相手を尊重し理解しようとする姿勢が大切ですね。
本書の中には、各章にワークショップや確認チェックなどもあります。
一人で読むのも十分楽しいですが、授業だとさらに盛り上がりそうな内容となっています。
是非お手に取ってみてください。
以上です。お読みいただきありがとうございます。
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